今日は去年落ちた専門医試験に2回目の挑戦だ。
いやぁ、はっきり言って今年は受けたくなかった。年末から延々と体調不良で、しかも急遽山形に引っ越すことに決まったから、とてもじゃないけど専門医の勉強なんて出来るわけがないことはわかっていた。もちろん言い訳になるのだが。
だが、来年になるとうちの診療所が研修施設の指定が取り消されちゃうので、なんとか今年受かってくれとムリヤリ願書を出されていた。
案の定、勉強なんて全然出来なかった。まぁ、去年は症例レポートを提出した時点で力尽きて、教科書なんぞほぼ全く読まないで受験したから、今年はそれより遙かにマシだ。
今年も試験会場は東大の医学部だ。20年ぶりに東大の中をウロウロしたと言ってから、はや1年が経ってしまった。そして、あまりにも勉強をしていないわけだからあんまり知り合いに会いたくなかったのだが、都内のクリニックに週一だけバイトに来てくれている偉い偉いドクターに会ってしまった。
「在宅のクリニックでバイトしてるから受けといた方がいいかなと思って」
こんな専門医を持たなくたっていくつもの専門医を持ってる大学の偉い先生だが、やっぱり勉強には貪欲なのかも知れない。こりゃ参ったな。
会場にはいって筆箱を取り出してみると、なんとなんと消しゴムが入っていない。確かマークシートだから消しゴムは必要だろう。受付のスタッフに聞いてみたら
「コンビニで買ってきてください」
まあそりゃそうだろう。
試験が始まる前から出鼻をくじかれた。
テキストは一応、1回は読んだ。ほとんどうろ覚えだが、去年よりは遙かにマシだ。去年受けた時は「それなりに勉強していれば余裕で受かるな」というような試験だった。今日もそれに期待する。
試験開始でまず問題用紙を開けてみると、なんかマークシートだけじゃなくて記述試験が3題もある。???こんな試験だっけ?なんとマークシート60点分、記述試験40点分という配点だった。いやぁこりゃ参ったな。
マークシート問題を始めてまたまた唖然。こんな難しい・・・と言うかテキストに載ってもいないことばかりだ。なんとかのガイドラインだとか、なんとかの宣言だとか、こんなのどうやって勉強するんだ?
在宅医って守備範囲が広いから広く浅く知識を問われるというのは仕方ないが、どっからナニが出るか全く情報がなくて出来るような問題とは思えない。いやぁ、どっかで試験対策の講習会でもやっているんだろうか?国家試験でさえある程度の過去問をやっていれば勉強の方向性はつかめるのに。
これでは真面目に勉強したところで受からないだろうな。永遠に受かる気がしなくなってきた。
ほぼ、自分なりの常識で答えを書くしかない。マークシート問題はそれなりに早く終わった。記述3題のうち、1題は褥瘡の問題だった。大得意なところで点数を稼ごうと思ったが、気合いが入りすぎて1題で40分ぐらいかけてしまった。愚かなヤツだ。
残り2題の記述問題を要約書き終えたところで試験終了。いやぁ書くだけのことは書いたが、いまから来年まで真面目に勉強したところで、何を勉強すれば受かる試験なんだろう。
さっきのドクターに「東大の食堂で昼飯食いたい」と言われ、知ったかぶりして安田講堂の地下の中央食堂に連れて行く。
「東大の食堂きれいですね」
と感動してくれたようだが、20年前と全く変わっていない。壁を白く塗って間接照明が入っただけだ。
通称1食?とか言われていた気がするが定かではない。僕がいた当時は、東大の中で一番うまいのは農学部食堂だった。
懐かしい味だ。ヒレカツカレー455円だった。なんのヒレなのかよくわからないが。
午後はまたまた面接試験だ。だが、名前を呼ばれて誘導されるかと思いきや、荷物をまとめてついていこうとしたら、廊下で置いてけぼりにされた。
いやぁ、いくらなんでも酷いな。別の部屋に誘導するならちゃんと確認してから移動して欲しい。遠くからなんとなく声が聞こえてくるのを頼りにウロウロしたが、発見するのに10分ぐらいかかってしまった。
こんなことってあるの?棄権したかと思われたらどうするんだ。
面接それ自体は穏やかに進んだ。山形の特殊事情を伝えるだけという感じだった。
まぁいずれにしろ試験は終わった。
ここ1ッヶ月ぐらいずっと頭を悩ませていた課題が終了した。受かっている可能性はまたしても低いと思われるが、とりあえず終わったからいいや。
お墓参りに行こうかと思ったが、夕方になりそうだからやめた。帰りの電車で爆睡。
試験が終わったら、今度は2週間後に講演会で発表するスライドを作らねばならない。試験を口実に全く手をつけていない。一難去ってまた一難だ。
ゆっくり晩飯を食いにいく気にもならない。
明日は、またしても1週間のうち一番疲れる都内の外来だ。
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