いやぁ、ある意味、研修医の時の初オペよりもプレッシャーがデカかったかも知れない.
目が覚めるとなんとなく気が重く、道路も混んでいるからさらに気が重くなる.
なんだかラウンジも妙に混んでいる.
去年までは、人工関節のオペの前日はけっこう緊張したモノだ.作図をしたりイメトレをしたり.だが、今回はたかがばね指のオペとはいえ、すべてを自分1人でやらねばならない.なんでもそろっている病院で人工関節をやるよりもはるかに緊張する.
朝飯はあんまり食欲がない.
先週の月曜日にオペのムンテラをして、今日は朝から来て入院しているはずだ.たかが局麻の手のオペだとはいえ、本人にも病院にとっても一泊入院した方が都合がいいということで当日入院になっている.
だが、外来は果たしてまともな時間に終わるだろうか.先週は15分の休憩は取ったモノの、ほぼ16:30までぶっ通しだった.今日のオペは13:30ぐらいに入室を予定している.
病院に着くと、待合で待っている患者は先週より遙かに少なかった.ちょっと安心する.まぁ17日が休みだった反動で先週は混んだというのが大きいだろう.
外来患者は順調に進んでいく.これならまともな時間にオペ室に行けるだろう.途中でそのオペ患が今日の状態を見せに外来に降りてきてくれた.いやぁ田舎のばあちゃんで手術なんて初めてだというが、普段と全く様子が違って落ち着かない.ソートー緊張しているようだ.いやぁ、僕もここの病院で初オペだから先週からずっと緊張しているのだが.
なんと奇跡的に外来は12:30に終わった.
昼飯.
13:15にオペ室入室だというから、僕も時間がある.早めにオペ室にいって細かいチェックをしよう.なにせここの病院で7年ぶりのオペだという.
オペを担当してくれるナースがここ一ヶ月ぐらいいろいろと器具を買いそろえたりしてくれていたが、やっぱり本番になってようやくわかることがたくさんある.ドレープが小さいとか綿包帯がないとか、固定用のテープがしょぼいものしかないとか、挙げていたらキリがないがこれも本番をやるからこそ気づくことだろう.
手洗いをしたあとに滅菌布で手を拭くのが当然だと思っていたが、ここの病院はそういう設備がない.もともと消化器外科のオペばかりだったそうで、滅菌布で手を拭かないで普通のペーパータオルで拭いていたそうだ.整形ではこれはアウトだ.手を洗ったあとに自然乾燥で手が乾くまで何度もアルコールをかけてもらう.
助手には短期で僻地バイトに来ているナースが入ってくれた.自分の病院ではオペ室勤務だというから、手の洗い方もオペガウンの着方も知っている.よかった.ここから教えなきゃならないとすると大変な労力だ.
ようやく執刀.ばね指のオペとは、手のひらに2センチぐらい切開して硬くなった腱鞘を切り開くだけだ.だが、ほぼ2年ぶりぐらいだ.そして自分で執刀するのも半年ぶりぐらいだ.せいぜい10分ぐらいのオペだが、止血をしようと思ったらバイポーラーがオペ室にないし、洗浄の生食もすぐ出てこない.だが、なんとか無事に終わった.
いやぁ、無のところからオペを始めて行くって本当に大変なことだなと思う.全麻の麻酔機は当分の間は治らないから、局麻のオペしかデキない.だがしばらくはその方がいいんだろう.
オペが終わってから午後の外来だ.今日は10人ぐらい.先週は60人以上診たが、今日は40人ぐらいだ.16時には終わったから、オペ後の様子を見に病棟へ行く.なんの問題もなさそうだ.まぁたかがばね指とはいえようやくここの病院でオペまでたどり着いた.徐々に手を広げていって、来年には人工関節をやりたいモノだ.
夏休み期間になってから、飛行機は毎回のように混んでいる.
帰りは食欲旺盛.これじゃぁ足りないぐらいだ.
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