今日は朝からすさまじい灼熱だ。駅まで歩くのでもうんざりするレベル。
案の定、病院に着いてみると外来の待合はほとんど患者がいない。なにもこんな暑い時に病院に来る必要はないのだろう。
そんなこんなでまたしてもヒマな外来だ。内科から回ってきた腰痛患者をゆっくり見る。見るからに骨粗鬆症で亀背だ。骨密度を測定したらこの有り様。
グラフの右下にある米印が患者のデータだ。もう下限で測定できないようだ。腰椎のレントゲンを見れば、全てが圧迫骨折。骨粗鬆症の見本みたいだ。
高齢だが頭はしっかりしている人なので、その内容を話すと
「内科の先生から、骨がないって言われました」
まぁレントゲンを見ると確かに骨はほとんど写らないほどスカスカだ。だが、骨がないと言っているならなんで治療してやらないのか。
最近つくづく思うのだが、一般的にみんなが心配している血圧、血糖値、コレステロール・・・こういうのってそんなに重要なのだろうか。
医者がそんなふざけたことを言うなと言われるかも知れないが、血圧が高くたって血糖値が高くたって痛くも痒くもない。デブデブでコレステロールが高くてもどういう症状があるのか。
患者には毎日血圧を測れと言って、その値で一喜一憂するように教育しているというのに、骨がスカスカでも放っておくというのが今の医療なんだろう。
「骨粗鬆症の薬なんて飲んで役に立つんですか?」
よく患者から聞かれるセリフだ。だが、だったら高血圧の薬を飲んでなんの役に立つのか。動脈硬化、脳血管疾患、心疾患・・・いろいろとリスクは高くなるだろうが、骨粗鬆症で身体中の骨がグズグズになるのは心配じゃないんだろうか。
この人ぐらいの骨密度だったら、ベッド上で寝返りしただけで肩の骨が折れる、腰椎の圧迫骨折になる。転ぶどころか立ち上がっただけで大腿骨の頚部骨折になる。これはまったくもって冗談じゃなく、オペ中に実際の骨を見ているから言えることだ。
ひどい骨粗鬆症の人だと、骨というよりは味噌汁に入れる「麩」みたいになっている。骨折のオペを始めて、「麩」に金属のネジを入れようとして焦ることはよくある。
血圧だの血糖値に一喜一憂するなら骨密度にも一喜一憂しろといいたいのだが、これだけ一般の人に認識がないというのは、いままで整形外科医があんまり啓蒙活動をしてこなかった結果だろうから、僕らの責任だということなんだろう。
昼飯はこんなもの。
先週の金曜日に山形からサクランボを送った。おいしかった?と聞いたら、どうせなら一緒に食べようと思って冷蔵庫に入れてあるよと。・・・土曜日に食べちゃってくれと思っていたのに。
はて、冷蔵庫を見ると封を開けてなかった。
紅秀峰という、多少は長持ちする品種なので、まだおいしく食べることが出来た。でも、今度送る時は平日に着くように送らなきゃと思う。
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