こないだみんなでさくらんぼを食べたばっかりな気がするが、もう一週間経ってしまった.ここのところ僕の存在価値は全くなさそうな外来の日だ.
最近は電車で来ていたのだが、帰りに洗車をしてもらいたいので今日は車出勤.同じ時間に家を出ても、遙かに早く病院に着く.9時からの外来だが、べつにすることもないので早めに外来を始める.
どうせ11時ぐらいには打ち止めになってやることはなくなるんだろう.そのつもりで内職ネタはたくさん持ってきた.
だが予想に反して次から次へとカルテが運び込まれてくる.しかも半分以上が新患だ.うーん、昨日が連休明けだから今日はそんなに忙しいはずはないのだが.しかしどんどん患者は増えていく.
いつも通りのペースで丁寧に説明して丁寧に処置をしていると、全く進まないことに気づく.しかも新患の半分は外傷で処置が必要だ.まぁ今日のオペは脊椎だから僕の出番はないだろう.昼飯を楽しみにする日ではないので、何時までかかろうが関係ないか.
だらだらとやっていて、受付時間が終わった頃に外線の問い合わせが来たと.いつもなら部長が直接電話で喋って夕方に診察するスポーツ整形の患者の問い合わせだ.部長がオペ中で電話にも出られないらしく、僕につないでくれと.
まぁ正直なところ、スポーツ整形というのは骨折とかで緊急の処置が必要な場合を除いて、診察する医者の名前がものをいう.だってほとんどが健康な若い人の、日常生活異常のパフォーマンスをしてる状態ででる症状だから、普通に生活していれば支障のないレベルだ.オペになる症例以外は、納得するような検査をして、十分に説明をすることだ.僕がスポーツドクターの名前がついているから回されてきたのか.
「トップアスリートですから」という電話だったが、内容を聞くに、胸郭出口症候群うたがいだという.うーん.だったら何もすることはないな.
実際に診察してみると、確かに胸郭出口症候群のような症状だ.ネットで検索していただくとこの病名で、いろいろなサイトで紹介されているが、ひとことで言うと逃げの疾患名みたいな気がしてしょうがない.
昔だったらそこで神経や血管を圧迫していると思われる肋骨を切除するとかのオペをしたらしいが、正直いってロクな噂を聞かない.鎖骨か動脈を損傷して致命傷になったというのはちらほら聞く.
言い方を変えれば、体型によって神経だの血管だのが圧迫されやすいから、そうならないように気をつけてくださいということになる.少なくとも競技を休んでくださいというほどのものではない.
そんな説明で納得してもらえたんだかどうだか.
昼飯は14時過ぎだ.
いつもの通りロクでもない昼飯.
食い終わったところでまたまた同じところからの紹介.トップアスリートかどうかは言っていなかったが、競技レベルでスケートをやっているらしい.腰痛で一週間前に別のところでMRIを撮って何もないといわれたらしいが、納得いかないのでまた診察してくれと.まぁMRIを撮ったのが脳外科だと言うから、説明したのも脳外科医だろう.ヘルニアはないですと言われたようだが、そもそもヘルニアで腰痛は出ない.みんながみんな大きな勘違いをしているが、椎間板ヘルニアとは腰痛になる疾患ではなくて、下肢痛がでる疾患だ.腰痛患者に対して「ヘルニアが・・・」などと言っている時点で何も理解していない証拠だ.
競技としては腰椎分離症を疑うのだが、若い女性に骨盤周囲のCTを撮るのも気が引ける.MRIでも分離はわかるだろう.ということでここの病院でもMRIを撮りましょうということになる.まぁきょうのMRIでは分離症ははっきりせず、椎間板の変性があるから疾患としては腰椎椎間板症ということになる.
じゃぁどうすればいいんですか?と聞かれたところで、やることは飲み薬か注射だ.ドーピングには引っかからないことを説明してがっつり痛み止めを飲んでもらうことにする.
さぁ果たして納得してくれたんだかどうだか.
なんとか洗車には間に合った.
ここのところ、毎週200キロぐらい走っている.ほとんどが高速道路だが、去年より車を酷使している気がする.久しぶりにすっきりした.
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