実質のところ僕が週明けに出勤するのは木曜日だ。だから、木曜日の朝には大量のカルテと書類が積まれているのがいつもの光景なのだが。
その中にこんな書類。
地域連携パスとか書いてある。市が違うからかも知れないが、見るのは初めてだ。
地域連携パスとは、僕がいままで関わったことがあるのは消化器外科と整形外科だけだが、ある病気、例えば大腿骨頸部骨折なら
・入院して手術、最初のリハビリまでは病院
・十分に歩けないならリハビリ病院へ転院
・家に帰れたらその後は診療所で
という感じに、一定のスケジュールをつくって治療を進めるモノだ。肺炎を起こしたり再骨折したりしたら「パス離脱」ということになる。大きな逸脱がない限り、本人の希望というよりは一定の流れで退院させちゃおうという目的もある。
まぁ最近はこの地域連携パスというのがずいぶんもてはやされていて、地域で病院から自宅まで支えていこうという大きな建前があるようだ。
しかし、見ての通りすさまじい量の書類が送りつけられている。「記載をお願いします」と書かれているが、どこに何を記載するのか、一つたりとも何一つわからない。
まぁいままではパスで患者を送り出すことはあっても、受ける側になったことはないし、こういう記載は全て看護師がやっていた。
「治療の満足度を上げる」
「地域で支える」
いろいろと素晴らしい建前が書いてあるが、はっきり言ってこんな書類を延々と書いていたら、何一つ仕事は進まないだろう。どこの業界でもそうだが、こういう「システム」だの決まり事を作ること、それだけが仕事がなりたってしまう人種がいる。こちらから言わせてもらえば、お前ら朝から晩までそれだけやってメシ食ってるんだろ、と言いたい。
いずれにしても受けるのは初めてなので、これをまじめに踏襲して治療に当たったらボーナスのような保険点数の加算があるのかちょっと調べてみた。
退院時共同指導料9000円。1回算定できるようだが、所詮めんどうなことに対応するのはカネ次第ということだろう。
書類で記録して「ちゃんとやっている」呈をして、それに対してカネを出す。それにすさまじい時間を割いてたら、患者を診るのはおろそかになると思うのは僕だけだろうか。
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