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こじんまりと開業しました
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4月から水曜日は都内で往診をやっている。今日で12回目だが、晴れたのは今日で2回目だ。

だが、異常なほど風が強い。マンションの13階なんぞ飛ばされそうだ。

昼飯は初めて行く豚カツの店。



たまたま思いつきで入った店だが、僕の拙い豚カツ経験からするとほぼトップレベルの旨さだ。期せずして旨い昼飯だった。


だが、今日は処置の患者が多い上にトラブル続出。昼飯を食っただけで、休憩らしい休憩はほぼ取れない。

なにが一番大変だったかと言えば、胃瘻交換の患者だ。もう10年以上も胃瘻の状態で経管栄養をやっているようだが、これまでトラブルなんぞ一度もなかったと。胃瘻を作ってから一度もそこの病院に受診していないという。

いやぁ逆に言えばこれからどんどんトラブルが出てくる可能性があるだろう。僕が胃瘻交換をするのは3回目だが、今日はやけに入れるのに難渋する。

そして、在宅での胃瘻交換で最もリスキーなのが、ちゃんとした画像で確認できないということだ。ほとんどの医者は胃瘻交換で腹腔内に入れてしまうなんてことを経験しないだろうから、胃瘻交換のことをナメている。だが、僕がたかが半年だけ消化器外科研修をしていた時に、胃瘻トラブルで2例の緊急オペがあった。そして僕の研修医の同期も、僻地病院で胃瘻の入れ損ないで腹膜炎を起こしている。

胃瘻交換で画像確認というのは、一般的には造影剤を入れてレントゲンを撮るか、内視鏡で胃の内側を見て確認するかどちらかだ。そんなことはどちらも在宅ではできない。インジゴカルミンという色水を注入して、胃瘻から逆流が確認できるかどうかというアバウトな確認方法しかやっていない。ブラインドで入れているだけだから、トラブルが起きるリスクは十分にあるはずだ。

今日は交換したものの、色水が全く逆流してこない。それどころか、胃の内容物らしきものも全く出てこない。要はちゃんと入っているかどうか確認できないということだ。あんまり気にしない医者もいるだろうが、僕はムリだ。

結局、午後になってから新しいチューブを持っていって入れ替える。やっぱ内視鏡で確認した方が安心に決まっている。ムダな心配と時間を食ってしまった。


ブラインドといえば、整形外科でやる関節注射もブラインドで注射しているだけだ。膝の注射の時は関節液が逆流してくるのを確認できるが、肩はそんなに逆流してこない。

いままでずっと肩の注射が苦手だったのもあるが、ヒアルロン酸の業者が肩の模型を持ってきてくれると。喜んで頼んでしまった。



ある意味リアル。ある意味ビミョー。

肩峰下滑液包、関節腔内、肩鎖関節、上腕二頭筋腱腱鞘のターゲットがあって、上手く注射できるとランプがつくというものだ。

僕は肩関節腔内に入れる自信がないのでいつも肩峰下滑液包に刺していた。だが、解説の通りやってみるとけっこう上手く関節内に入るようだ。もっとも模型用の解説だから、人間に当てはまるかどうかはビミョーだ。

10分ぐらい刺しまくっていたら、全てのターゲットを一撃で刺せるようになった。まぁこの期に及んでこんな練習をしているとは馬鹿にされるかも知れないが、やっぱり自信を持って処置をやるっていうのは重要な気がする。



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無題
私が研修医の頃は
胃瘻からIVHへの移行期でした。
IVHでは水分やカロリーが十分入り
消化器外科では術前にブラインドで
右鎖骨下から入れていました。
急いでいる時には軽い気胸や
クーレンカンプ麻酔になった事もありました。
安全第一で
右鼠径部からしか入れない先生もいました。
15年?前後前から
介護施設に入る条件に胃瘻はOKでIVHはダメになり
胃瘻が増えてきました。
胃瘻で亡くなった方の
不自然に生かされてしまった
寂しそうな表情が未だ記憶に残っています。
ビ〜グルズ| | 2018/06/28(Thu)10:03:28| 編集
Re:無題
今も胃婁がOKでIVHがだめというのは暗黙の了解のようになってますね。その理由は全くわかりませんが。
最近は胃婁を作るのもムダな延命だという風潮で、外科の下っ端はやることなくて可哀想だとおもいます。
【2018/07/04 18:43】
無題
>胃婁がOKでIVHがだめ

各所の入所規定だと思われますが
本音は自己抜去や
感染の危険があり
対処できる場所では無い
(ただモンスターだけへの
医療行為が出来る医師看護師の
人件費やその訴訟リスクなし)と
思われます。
ビーグルズ| | 2018/07/06(Fri)21:06:23| 編集
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プロフィール
ニックネーム:
Jay
性別:
男性
職業:
医者
自己紹介:
脱サラ医者

経歴:
東京大学農学部
製薬会社安全性研究所
医学部学士編入

現在:
在宅医、整形外科医
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