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こじんまりと開業しました
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いやぁ、いろんな意味で見当違いばかりなのかも知れない.


今日は羽田は曇っていたがそれほど悪い天気でもなかった.しかし、飛行機がでる前から「かなり揺れますから」と東北はかなりの悪天候らしい.なんと機内食は離陸する前に手提げ袋に入れて、お持ち帰りくださいと渡された.

確かに天気は悪いのかも知れない.



だが、この後は爆睡してどのくらい揺れたかよくわからなかった.

空港から病院までの道のりはかなりの土砂降り.さすがの僻地病院もこんな日には患者が少ないかも知れない.だが、病院に着いたらいつもより待合の患者は多かった.こりゃ大変だな.

土曜日にも非常勤の整形Drがきたのだが、その時は59人診察したという.すさまじい数だ.先週の月曜日が休みだったからそのしわ寄せが来ているのか.もう山積みされたカルテは診れども診れども全く減る雰囲気がない.

患者の話には耳を傾けるが、手を止めるわけにはいかない.喋りながら注射をして、欲しいと言われる前から処方薬を書いてしまう.エンドレスのカルテは、13:30に終わった.4時間半でなんと50人診ていた.いやぁ、1回の祝日があるだけで、ここまですさまじいことになるのか.

昼飯は、朝飯になるはずだった機内食.



これを食いながら研修医の撮ったCTを診ていたら、もう午後の患者が来たと外来から呼ばれる.

来週の局麻オペの患者が来るから、同意書を印刷しなきゃならないのだが.まぁとりあえず外来に行く.いやぁ、午後だからといって全く容赦ない.新患もどんどん来る.レントゲンも撮らないでスルーしようとしても、なかなか手抜きはできるもんじゃない.

そしてトラブル.

二ヶ月ぐらい前に圧迫骨折で骨粗鬆症の薬を処方した患者だ.ショートステイに行くとかで、久しぶりの受診だ.

「月1回の点滴ということで来ました」

そういって娘さんが連れてきたのだが、骨粗鬆症の点滴は午前中にたくさん使ったのでもう院内の在庫がなくなってしまった.それを告げると・・・

「この前もそうでしたよね」
「それでこの日に来なさいと言われてきたのにどういうことなんですか?」

確かに僕のカルテには7月24日再診と書いてある.

まぁだからといって院内の薬の在庫を僕が管理しているわけじゃない.当たり前のことだが、不良債権になる可能性のある注射剤などはなるべく院内にストックしないようにというのが普通の病院の方針だ.僕が30個ぐらいストックしろと言っても薬剤部がとてもとても了承しない.

先週が休みだったから2週間分の患者が今日点滴しに来たのだ.電カルでもないのにそれをどうやって予想できるか.ホントなら大量にストックしておくしか方法はないだろう.

「病院としてどうかしてると思うんですけど」
「言ったところでしょうがないと思いますが」

同じことを言いながら延々と怒っている.こちらは平謝りだがそれ以外には返答のしようがない.

いやぁオペのムンテラの患者が来るというのに、この騒動で20分は浪費した.またまたカルテは積み上がっている.

「先生、あと45分で5人診なきゃなんないですよ」

僕よりも周りの看護師の方が心配している.5人のうち3人は新患、1人はムンテラの患者だ.

いやぁ、どこで手を抜くか.さすがに飛行機に乗り遅れるわけにはいかない.レントゲンを撮って結果は来週ね、とかとりあえず注射をして来週経過を聞きますとか.16:30出発なのだが、外来が終わったのは16:25だ.トータルで62に人の診察だ.

うーん、今日は確かに祝日のせいでここまで混んだんだろうが、来週は果たして局麻のオペなんぞこのスケジュールでできるんだろうか?まぁ考えてもしょうがないか.

ほとんど時間もないのだが、帰り際に事務長から

「来年はぜひ週2日でお願いします」
「来月から日給は1万円あげておきましたから」


これだけ働いているから評価されるのは当然だ.だが、こんな月曜日の翌日は恐らくヒマヒマ外来だろう.病院によってここまで自分の必要度が違うとは驚きだ.

なんかこの生活を始める前の目論見が、かなり見当違いだと言うことが徐々にわかってきた.

僻地病院は日帰りでオペ一件ぐらいデキるだろうと思っていた.全麻のオペだって術後は研修医に任せればデキるんじゃないかと思っていた.だがこの忙しさじゃ局麻のオペだってロクにデキるかどうか.

都内の外来は、3月までは土曜日午前だけだったからけっこうな混雑だったが、4月以降はその患者がばらけただけだ.いっこうに患者は増えてこない.

山形ではスタッフからまだまだ受け入れられていない.順調に仕事を進められる状況ではない.

いやぁとんだ見当違いばかりだ.



帰りの上空はいい天気だった.しかし、機内食を食べ始めるとまたまた揺れ始める.



味噌汁はほとんど一気飲みだ.


さんざん疲れて帰ってきたあとなのだが、今週の水曜日には山形のアパートに向けて部屋の荷物を送るからその荷造りだ.



あぁ本当に疲れる.

いつになったら落ち着いて仕事ができるんだろうか.






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無題
>土曜日にも非常勤の整形Drがきたのだが、その時は59人診察したという.
>もう山積みされたカルテは診れども診れども全く減る雰囲気がない.

診察だけだと時間当たり10人が採算ベースと思われますが
その倍は堪えますね。
古いカルテの山積みは
分厚いので掃けやすいですが
新患カルテの山積みは疲れます。

>研修医の撮ったCTを診ていたら

今のCTは
誰でも簡単に短時間で広範囲を撮影できますね。
画質良くも3D構成も早いです。
整形はある程度の疾患以上は
殆どCT(低線量の3D)を使う様になると思われます。
将来のレントゲン技師の仕事は
放射線治療になるのでしょうか。

>不良債権になる可能性のある注射剤などは
>なるべく院内にストックしないように
>というのが普通の病院の方針だ.
>僕が30個ぐらいストックしろと言っても
>薬剤部がとてもとても了承しない.

私の所では
多量に使用する
インフルエンザワクチンやその治療薬のラピアクタ注
テリパラチド注などは月末ギリギリまで在庫し
返品すると月内なので請求書が来ません。
その条件を守れる問屋とだけ取引をします。
ビ〜グルズ| | 2017/07/25(Tue)11:51:27| 編集
Re:無題
いやぁ、山形の診療所に9月で期限切れのラピアクタが9個も残っています。
下らないところで慎重なのに、こういうムダなコストは気にしていないというのが信じられませんね。これを含めて県民性と言い切ってしまうのですから。
電カルで管理しているのならどの日に何個必要かというのはあるていどは想定できると思うのですが、紙カルテだと在庫を増やすしかないと思います。月に30人も点滴しに来るのに、それを30個ストックしておくのがなんでリスキーなのか僕には全く理解できません。
【2017/07/25 13:37】
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プロフィール
ニックネーム:
Jay
性別:
男性
職業:
医者
自己紹介:
脱サラ医者

経歴:
東京大学農学部
製薬会社安全性研究所
医学部学士編入

現在:
在宅医、整形外科医
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