病気で入院している患者さんが、たまに口にするセリフで
「先生は病気になった事ないから苦しみはわかんないだろ」
反省しなきゃと思いつつも、その通りである。
今日は今週の最大のオペ、火傷の植皮手術があった。アル中&寝タバコで家が火事になって大やけどを負った人なので、正直、それほど同情の余地はない。
火傷の深さはかなり深いため、植皮が必要なレベルだ。火傷の広さはお腹に手の平3つ分ぐらいの3度熱傷。
体表面積の2%ぐらいで、入院する必要があるかないか微妙なところだ。正直言って外来治療を行って植皮の時だけ入院する、というのでも可能なレベルだ。
しかし、本人にあまり意欲がなく、動かない、歩こうとしない(40代だ!)ために入院したままでずいぶん経ってしまった。
火傷のオペは初めてなのでケッコウ興味があった。手の平3つ分と言っても見た目はかなり広く見える。植皮用の皮膚は両太ももの前面から取る。10センチ×10センチを2枚採取して、その皮膚に網目の切れ目を入れるカッターに通す。すると、採取した皮膚は数倍に広がるので、その2枚であっさり火傷部分を覆うことができた。
このカッター、驚くことに、網目の入れ方で元の皮膚の9倍まで広がるような切れ目を入れることができる。
オペは順調に終わり、きれいに植皮されて終了。あとは生着するのを待つ。
今日は昼にクリームコロッケで口の中を火傷した。上の歯茎がべろべろに剥けていて痛い
オペ中も痛くて舌でさんざん触っていた。
口の中の火傷を気にしながら、頭の中で考えていること
「この人、自分で消毒できればスグ退院できるんだけどな」
晩飯の時も、痛くて痛くて、火傷の側では咬むのが気になる。自分の痛みにはヒジョーに敏感だ。
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