いやぁ、自分がデキる医者だとか思うことはないが、あまりにも情けないことがあるとこの歳になっても落ち込む。
午前中はいつもの通り施設の回診だった。人数は多いがとくに問題なく進む。午後に大量の予定があったので、ちょっとでも早く終わるに超したことない。
だが、全く予期せずムンテラをしてくれという依頼。回診中に、なんで家族が来てるんだろうなと思ったら勝手にムンテラの予定が入っていた。まぁちょっと時間はかかるが問題なくそれも終わった気がする。
こういう忙しい日には、よりによって挿入が超困難な尿道カテーテルの患者が入っていた。ずいぶん前から訪問診療をしているので、どうして膀胱瘻にしないのか僕には把握できない。とにかく入りにくくて、以前は非常勤のドクターが入れて尿道損傷になったことがある。僕も去年の夏ぐらいからカテーテルの交換だけ行くようになって、ものすごく苦労している。
12月の時はそれが終わってから新幹線で忘年会に行く予定が入っていたのだが、行くのを諦めようかと思うほど手こずった。月に1回だから、ここ3-4回はスムーズに入っていたものの油断大敵だった。
本人はいつも訪問する30分ぐらい前に睡眠薬を飲んで準備している。薬を飲むタイミングで難易度が変わるのかも知れない。前立腺肥大でそんなこと関係あるのか。
いつものようにキシロカインゼリーをたっぷり使って入れ始める。しかし、一回目のタイミングでなんか変だなと思う。入れにくいは入れにくいが、別の通り道(偽尿道)があるわけじゃなかったのだが、今日はいっこうにまっすぐ進まない。
ヤバイなと思ったのは当たりだった。いくらやってもあらぬ方向に進んでしまい、入る感じが全くしない。1時間近く粘ったが、もうムリだなと思い別のドクターに手を変わってもらうことにした。いままではどんなに困難でも入らないことは一度もなかった。あまりにも情けない。
もともと僕を不審な目で見る家族だから、さらに不信感を煽っただろう。
その後はターミナルの患者の疼痛コントロールで北方面に行かなきゃならない。そこの患者は独居だから、薬を処方したところで本人が使えなきゃコントロールは全くデキない。ケアマネと近所の人とヘルパーで、加えてうちの訪問看護で毎日だれかが行くように調整する。ここでまた1時間だ。
途中のコンビニでトイレに入って、そこで昼飯も済ます。
本来だったら14時にいく家が、もう16時だった。そこからあと6件。この仕事、僕らがいくら遅くなっても構わないといっても、待っている患者はそうは行かない。そりゃあいくら訪問診療をありがたがっている家だって、予定の診察が19時過ぎに来たらいい加減にしろと思うだろう。
さっきの尿道カテーテル、結局は他のドクターがやって簡単に入ったそうだ。
万能じゃないからナンデモできるわけじゃないが、あまりにも情けない。
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